金持を喰いちぎれ

レミー
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INTRODUCTION
製作から36年の年月を経て、なぜ今これがリバイバルされるのか、まったく不明!しかし、あらゆる物事が〈ふつう〉〈平均〉に落ち着こうとする現代において人類が忘れしまった“何か”をこの映画で再確認できるに違いない!モーターヘッドのレミー、ポーグスのシェインほかミュージシャンが大挙映る!ロック映画好きは必ず観なければならない世紀の怪作がデジタルリマスターによって復活公開!
無能な者が権力者になるという、この世の摂理に切り込み、あらゆる差別とヒエラルキーを吹き飛ばして散った、スーパーブラック社会派ロックンロールコメディ超怪作! 1980年代、パンク・ムーブメントを力ずくで押さえこみ社会保障カットとフォークランド戦争で大英帝国を再建した剛腕サッチャー政権下、生活苦に耐えきれなくなったイギリス国民がついに立ち上がった!一部の金持ちだけが優雅な生活を謳歌し、庶民ばかりが苦しむ世の中を痛烈批判。海外のキャッチコピーは「おまえが食べているのはおまえだ!」。人種差別、性差別、階級差別、選民主義、権威主義に怒りを爆発させ、反旗をひるがえす大貧民たちが、大金持ちしか入れない超高級レストラン<BASTARDS>を乗っ取り、<EAT THE RICH>と改名して金持ちを血祭りにする!イギリスの庶民派テレビ局で人気を呼んだ社会風刺コメディ番組「ザ・コミック・ストリップ」でポストモンティ・パイソンとして注目を浴びた英国コメディ集団コミック・ストリップの一員であるピーター・リチャードソン監督が、パイソンズより遥かに過激に強烈な風刺を利かせて制作、ジョージ・オーウェルの小説「動物農場」やビートルズの楽曲「Piggies」のテーマにも通じる、猛烈な社会批判を展開するも、初公開時、その猛毒に誰もついて行けずに映画史上空前の空振りを記録した、勇気溢れるとんでもないブラック・コメディ『金持を喰いちぎれ』が36年ぶりに戻ってきた。「グルメの叙事詩」とも評され、あまたあるグルメ映画に『ハンニバル』(レクター版)と『博士の異常な愛情』をぶち込んで、じっくり煮込まず肉汁滴るスパイスかけすぎのハンバーグステーキに仕上げたグルメ映画史にさん然と輝く極悪異端作でもあり、近年の英国媒体による「映画史上最大の失敗・愚行TOP50」では、歴史的超大作が軒並み名を連ねるなか、超インディペンデント低予算映画にもかかわらず第49位にランクイン(マイケル・チミノ『天国の門』が2位、デヴィッド・リンチ『砂の惑星』が3位)、今でも凄まじい存在感を発揮している前人未到の社会派超怪作である。製作総指揮は『ロッキー・ホラー・ショー』(75)や、ポリス、XTC、ディーヴォなど出演の音楽映画『Urgh! A Music War』(81)を手掛けたマイケル・ホワイト。
主演にはジェンダーのボーダーをかるく突破、舞台、映画、テレビ、ラジオ、音楽などどんなところでも活躍するラナー・ペレー、元ヘヴィ級プロ・ボクサーであり、007シリーズのスタントのほか『荒野の用心棒』(64)にも映っているノッシャー・パウエルが上流階級の内務大臣にふんしている。また暴走ロックンロールの帝王であり人類の切り札といわれるバンド、モーターヘッドをサウンドトラックに起用、劇中に唐突なライヴシーンが差し込まれ、その創始者であるロックンロールの化身、極悪レミーが台詞を含めた演技を披露している。そしてポール・マッカートニー、アンジー・ボウイ、サンディ・ショウ、クー・スターク、ミランダ・リチャードソン、シェイン・マガウアン(ポーグス)、ヒュー・コーンウェル(ストラングラーズ)、ビル・ワイマン(ローリング・ストーンズ)ら超豪華ミュージシャン、俳優、モデル、作家、アーティストたちが大挙カメオ出演、なぜ映っているのかは誰もわからないが、作品のテーマに賛同したと信じることも可能だ。作品内容と完成度、そして世の中の反応、作品が受けた仕打ち。すべてがあまりのことにたいへんなこととなった本作は、数十年の熟成を重ねて気づくと『ロックンロール・ハイスクール』『さらば青春の光』『スパイナル・タップ』『ザ・コミットメンツ』『スクール・オブ・ロック』等々のロック映画好きはもちろん、この世の金持ちと庶民は必ず観なければならない作品となっていた。製作から36年、なぜいま、これがリバイバルされるのか、まったくわからないが、食料品も軍事費も何でも値上げで生きづらさ増す日本の現状からすれば、我々は80年代英国人の気持ちに納得するだろう。そして何の躊躇もなくそれを映画という表現で世に叩きつけた本作は、あらゆる物事が<ふつう><平均>に落ち着こうとする現代において人類が忘れ去ろうとしている何かをもたらすにちがいない。この年月を経て、人類はこの猛毒の理解に近づいたのか、それとも遠ざかったのか、進化か退化を問われるまさかの正式リバイバルで、遂に金持ちを喰いちぎるときがやってきてしまったのだ。
STORY
ロンドンで最も金持ちの集まる高級レストラン<バスターズ>でウェイターとして働くアレックスは、いけ好かない客やマネージャーにいびられクビになった。身寄りも友人も家もなく社会の最下層に沈んでホームレスとなったアレックスは生活保護を受けようと役所を訪れるが、高圧的な役人の態度に怒りが爆発、役人を射殺した。同じくロンドンでは乱暴で下品だが実行力のある上流階級、超タカ派内務大臣ノッシュがテロリストのゲリラアタックを単身素手で解決、大人気となった。ソ連のスパイである英国情報部司令長官は部下のスパイダーとともにノッシュに女性スキャンダルの罠を仕掛けるが逆に国民の支持が増幅、送り込まれた高級コールガールは一発でノッシュの子をはらんだ。アレックスは底辺部隊を率いて<バスターズ>に突撃、怒りの弓矢が次々と金持ちの胸を射抜く。クズどもを殲滅した部隊はレストランを<イート・ザ・リッチ>に改名、徹底的に金持ちをコケにする商法で大繁盛となった。噂を聞きつけた英国首相やノッシュも訪れ振る舞われるミンチ肉料理に舌鼓を打つ。だが<イート・ザ・リッチ>の誰にも言えない秘密とともに、最上位と最底辺の対決のときが迫っていたのだった。
CAST/STAFF
出演
ロナルド・アレン/ジミー・ファッグ/ラナー・ペレー/フィオナ・リッチモンド/
サンドラ・ドーン/レミー/ノッシャー・パウエル/ロン・ター
ゲスト出演の“ザ・コミック・ストリップ”メンバー
ロビー・コルトレーン/ドーン・フレンチ/ナイジェル・プレイナー/エイドリアン・エドモンドソン/
リック・メイヨール/ジェニファー・ソーンダース
さらにゲスト出演
キャシー・バーク/カトリン・カートリッジ/ショーン・チャップマン/ダーレン・ネスビット/
ミランダ・リチャードソン/クー・スターク/ルパート・ヴァンジッタート
さらに豪華ミュージシャン出演
ヒュー・コーンウェル(THE STRANGLERS)/ジュールズ・ホランド/ポール・マッカートニー/
シェイン・マガウアン(THE POGUES)/サンディ・ショウ/ビル・ワイマン(THE ROLLING STONES)/
アンジー・ボウイ/ワーゼル(MOTORHEAD)/フィル・キャンベル(MOTORHEAD)/フィルシー・アニマル・テイラー(MOTORHEAD)
監督:ピーター・リチャードソン
脚本:ピーター・リチャードソン/ピート・リッチェンス
製作:ティム・ヴァン・レリム
製作総指揮:マイケル・ホワイト
撮影:ウィトールド・ストック
編集:クリス・リズデイル
サウンドトラック:モーターヘッド
音楽:サイモン・ブリント/ローランド・リヴロン/ダニエル・エクルストン

1987年|イギリス映画|89分|アイアン・フィスト・ピクチャー制作|原題:EAT THE RICH
© 1987 National Film Trustee Company Ltd. All rights reserved.
キングレコード提供
ビーズインターナショナル配給
COMMENT&REVIEW
流れるすべての曲がモーターヘッドって言うのも最高だが、
劇中でステージにレミーがいきなり上がってライブするところがメチャかっこいい。
ハチャメチャな中に笑いと虚しさが襲ってきて最終的にすこぶる印象的な映画になった。
     セイジ(ギターウルフ)
金持ちばかりが得をして、散々コケにされているにも関わらず、
マッチョな保守政治家に喝采を送る庶民たち……。
本作は単なる「昔のコメディ映画」ではない。
「現在進行形の物語」なのだ。
     長谷川町蔵(文筆家)
We are the 99%!!
トマ・ピケティの『21世紀の資本論』、ウォールストリート占拠運動、
異次元のなんちゃらの遙か前……
サッチャーの抑圧からせり上がったこの狂騒劇は驚くほど射程が長かった。
インボイス前のウサ晴らし。
殺される前に喰いちぎったろか!
     森直人(映画評論家)
イートザリッチ!サノバビッチ!
とモーターヘッドの主題歌に乗って、
ビートルズもストーンズもD・ボウイ(の元嫁)も
喰いちぎるオールスター映画。
最後まで見てわかるタイトルのヒネリは
『推しの子』に通じるものがある(かも知れない)。
     山﨑智之(音楽ライター)
ただのイメージの羅列だ。特にストーリーはない。
俺たちはジョークを言ったり、立ったり、ころがったり、演奏するだけだ。
不必要なバイオレンスがあり、
赤ん坊がひどい目にあったり、どこにでもあるような感じさ。
映画は「EAT THE RICH」というタイトルだ。
俺たちはかなり参加している。ばかげている話だ。
ブリティッシュなジョークが詰まっているコミック・ストリップの作品で
俺はスパイを演じている。
初めての映画は新しい経験で最高だった。朝の6時に起きるとか。
バンドにいればないことだ。
違う世界を知れたのはよかった。
     レミー(モーターヘッド)
バンドを脱退して数か月で後悔した。
もう一回復帰できて夢がかなったようにうれしいよ。
最高の気分だ。俺はとてもハッピーだ。
     フィルシー・アニマル・テイラー(モーターヘッド)
『金持を喰いちぎれ』は美食の叙事詩と言われているが、
ぜったいに消化できない!
     Derek Malcolm(Guardian)
「高級なジョン・ウォーターズ的風刺」
もしくは「毛沢東時代前のジャン=リュック・ゴダール」!
一見デタラメに見えるが、
この種のコメディを的を射たものにするためには規律が必要だ。
それは機能するものを見つける前に、
多くの材料を捨てる意欲だ!
     Vincent Canby(New York Times)
作家のピーター・リチャードソンとピート・リッチェンスは、
金持ち、貧乏人、ツッコミ、悪役、巨乳、浅黒い肌を再構築する才能はあるが、
面白くするために頑張りすぎた。
リラックスするんだ!
     Desson Thomson(Washington Post)
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